そして、いちばん最後の車持の皇子(くらもちのみこ)には「東に仙人が住む山、蓬莱山(ほうらいさん)があります。根が銀、茎が金、実が真珠で出来た、蓬莱の玉の枝(ほうらいのたまのえ)を取ってきていただけますようお願いいたします」・・・とかぐや姫は告げた。
と言うわけで、蓬莱山へ登ってきた。いやはやこれが、最初から最後まで直登っていう地獄の様な山だが、素晴らしいのは、ゴルジュ(V字谷)と言っていいほどの深い谷が登山道の脇にあり、ほぼ頂上直下まで続いている。そのうえゴロゴロした四角い石が野放図に登山道に転がり、歩き難い事この上ない。1100mまで一気に駆け上がるので、稜線歩きは殆ど無いに等しい。
やっとたどり着いた稜線の先に小女郎ヶ池がある。ここで昼食をとることにする。まだ雪が解けたばかりの池にはオシドリのつがいが、頭を湖面につっこみ、何かをついばんでいるようだ。

昼食を終え登山を再開する。標高が1100mをこえた頂上付近は、まだ色づかないクマザサに覆われ、一面が駱駝色に覆われている。

蓬莱山の頂上は整備された展望台があるだけで、まだリフトも動いていない頂上には人けは無い。この山のすごいところは琵琶湖がほぼ真下にある景色だ。この景色を独り占めにすることはかなりの贅沢だ。が!ここまで3時間半もかかっている事に驚き、急いで降りなければと焦る。

周回コースで降りたが、こちらのコースもきつい。しかし降りるにつれカタクリや岩鏡、オオカメノキやつつじ、遅咲きのヤマザクラが楽しませてくれた。明日の筋肉痛は免れないだろうが、それも楽しんだ代償だろう。
かぐや姫の言う、蓬莱の玉の枝は見つからなんだが、車持の皇子のように職人に宝もつを作らせ、金銭を踏み倒そうとするなど言語道断!然るに、今度は火鼠の皮衣でも探しに行こう。しかし唐の国まではなぁ・・・遣唐使にお願いしよう。

