朝晩、すっかり涼しくなり、間もなく秋本番ですなぁ。この秋、皆さんはどんな本を読まれるのでしょう?
僕は山好きという事もあり、山岳小説も好きです。過去に読んだ作家さんにはあの有名な新田次郎さんや、松本清張さんも拝読しましたが・・松本清張さんの作品は正直怖かった!描写が緻密で怨念のようなものも感じてビビった。新田次郎さんの加藤文太郎(実在人物)を主人公にした作品は時代背景もあり、高所登山はお金持ちの趣味!というような時代の中、無名の主人公が次々に未踏の山を落としていくも、どこか孤独であまり人づきあいが上手でもない主人公が終に単独行ではなく・・・のような話だったと思う。まぁ、明るい話ではない。
大好きな作品は、夢枕獏さんの、エベレスト(神々の山嶺)かな!エベレスト初登頂を果たしたかもしれない、イギリスのマロリーの時代から、男たちの熾烈な新ルート、初登攀、謎のカメラ・・・など読み応え十分な傑作でした。
他には沢木耕太郎さんの”凍”を山野井泰史さんの”垂直の記憶”と併せて読むのもいいかもです。沢木さんは山野井さんを取材してこの作品を書き上げ、山野井さんはご自分の命がけの登攀を淡々とつづっておられます。
一昨年亡くなってしまいましたが、笹本稜平さんの作品も心温まるものが多く、”未踏峰”、”還るべき場所”、”ソロ”シリーズ(三部作)他、何度も読み返せる作品ですね。そういえば、”春を背負って”は映画化もされてましたね。
もちろん山岳小説に限らず、世の中には数多の本が存在し、幾多の名作があり、ご自分だけに刺さる読み物が存在しております。さあ、時がきました。ポプラや桜の葉は黄色く色付き、涼しい風が窓の隙間からそよぎ、夜は長いわけです。読書にいそしみましょう!