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振り子は二つある方がヘアスタイルが整う

  1. ドライカットの話+
2024/05/27

もうずいぶん前だが、レイヤーカットが全盛だった頃がある。当時はカリスマ美容師さんたちも全盛の時代で、美容師という職業も人気であった。若い美容師さんもどんどん養成され、スタイリストになったように思います。ただレイヤーカットというスタイルは軽い! そんなころ新規のお客様によく相談されたのは、髪が落ち着かないということだった。 私は「そうですね、これだけ鋤バサミでたくさん鋤けば、軽くはなったでしょうが重さがないので落ち着かないでしょうね」等と受け答えをしていました。そうなんです、まったくモラルなく鋤きまくるカットが世に横行しておりました。いや、今にして思えばアバンギャルドですらなかったように思う。そのうちどうなったかといえば、若者や学生の皆さんは美容院に行かなくても、自分で鋤バサミで切るという方向へシフトしたのです。結果、美容室のお客様は減ったように思います。ヘアスタイルが収まる、まとまるということには重さが必要なのです。お客様「風が吹けばなびき、ヤマンバのように髪は広がりどうしたらいいですか?」と相談も受けました。お客様は「でも軽くて、ぴたっと収まるヘアスタイルがいいんですけど!」 しかし、そのためには振り子のように、揺れても元に戻る重さをどこに作るのか?どれだけ作るのか?それぞれ一人一人の毛量や髪質、生え方などを考慮して切り残す。それができて初めてヘアスタイルが元に戻りやすいのです。でも一つだけの振り子では全体をカバーできません。そのためにはタイトルにあるように複数の振り子を作ることです。望み通りのデザインと自宅でできるスタイリングの両立が大事なことは言うまでもありません。デザインだけ追いかけても、お客様が自宅でスタイリングできなければ、お客様は何のために来られたのか? 私たちの追及はさらに続きます。

あなたのヘアスタイルが毎日健やかでお手入れが簡単なものでありますように!